幸ノ香(さちのか)のこだわり

幸ノ香(さちのか)という品種について

「幸ノ香(さちのか)」は、いちごの中でも特に栽培が難しい品種です。
病気にかかりやすく、収量も少ないため、今では全国的にも栽培している農家はごくわずかです。
甘みも酸味もしっかりありコクが深く、口の中にしっかりと残る余韻のある味わいで、名前の通りお花のような幸せな香りがするのが特徴です。
ただし晩生品種のため、クリスマスなどの需要期には間に合いにくく、市場出荷では不利。
さらに脇芽や花が多く出るため、脇芽をとったり摘果する作業が多く、手間の割に収益が上がりづらいことから、徐々に姿を消していきました。

土耕栽培へのこだわり

宮城県では2011年の東日本大震災の津波被害により、塩害を受けた農地が多く、それ以降、県内の多くの農家が養液栽培(高設栽培)へ転換しました。
その中で、私たちはあえて土耕栽培
を続けています。

土耕栽培は根を張る面積が広く、土の保水力や保肥力を最大限に生かすことができます。
その結果、実がしっかり締まり、味に深みのあるいちごが育ちます。
毎年腐葉土を投入し、土を育てながら栽培しています。

病害虫への取り組み

農薬はできるだけ有機JAS適合資材を使用し、
・サフオイル(害虫の成虫・幼虫対策)
・銅剤(病害防除)
などを中心に使用。

また、
天敵資材(害虫を食べる益虫のダニ)
ホリバーシートなどの物理的防除資材(写真の畑に立ててある青と黄色のシートがホリバーシートです)
を組み合わせ、環境にも作物にもやさしい防除を心がけています。